GreenNight のブログ
音楽鑑賞が趣味で、主にJ-POP・Jazz・昭和のアニソンなど聴いています。 動画なども積極的に紹介していきたいです。 日々の出来事や、気づいたこと、思うことをゆる~くつぶやきたいと思いますので、 皆様よろしくお願いいたします。
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
今日の配信情報はいかがでしたか? 私たちは、日々内容を考え、 どのような情報配信がお役に立てるのかを、 考えていきます。
ご意見ご要望などございましたら、遠慮なく下記メールまでご連絡ください。
より良いコンテンツの提供に役立たせていただきたいと思います。
閲覧ご視聴いただきまして、ありがとうございました。
運営 マーケットキャプチャー 問い合わせメール customer.info@marketcapture.sakura.ne.jp
ことし8月上旬、イラクのヤズディ教徒の2大コミュニティーのひとつ、シンジャルの町が、武装組織「イスラム国」によって制圧された。殺戮と混乱のなか、住民の一部は山に逃れる。「イスラム国」はヤズディ住民を包囲し、銃を突きつけて改宗を迫られた。
他の7枚の写真も合わせて見る
さらには、たくさんの若い女性が連行され、行方不明となっていることも伝えられた。山で孤立し、食糧を断たれた脱出民のためにイラク軍、英米軍は上空からの食糧投下をおこなう。そして人道措置として米軍が「イスラム国」拠点に対し、空爆作戦を開始した。
シンジャルのヤズディ住民の町もコミュニティーも「イスラム国」によって消滅させられた。
【取材:玉本英子・坂本卓】
殺戮と迫害という現実を私たちはいま目の前にしている。多くのヤズディ教徒が包囲され、命を奪われた。世界はそれを止められないでいる。この連載を共同執筆してきた筆者(玉本・坂本)は悲しみと怒りをもってこの事態に直面した。
私たちのヤズディ教徒の知人、取材をともにした友人たちの家族や親戚も「イスラム国」によって殺されたり、町を追われた。彼らが暮らしてきた村や町が一瞬にして消滅した。これまで日本にほとんど知られることのなかったヤズディ教徒が、いまのような虐殺という形でメディアで報じられることになるとは想像もしていなかった。
アフガニスタン空爆当時、アメリカのメディアはタリバンの蛮行を繰り返し報じ、人道名目の空爆が正当化された。こんどは「イスラム国」の無法とともにヤズディ教徒救出の人道が持ち出されている。これまでイラクで、自分たちなりに人びとを見つめ続けてきた取材者として、バグダッドやファルージャで米軍の空爆や軍事作戦が何をもたらしてきたかも知っている。
ゆえに、今回の事態で、私たちの友人たちが武装組織による殺戮にさらされていることを突きつけられたとき、そして誰も彼らを助けるすべがないと知ったとき、「人道」の名のもとに空爆をする米軍をどう受け止めるべきなのか。複雑な思いでいる。ヤズディ教徒が迫害され、21世紀が中世に逆戻りしたかのような状況を看過できるものではない。
一方で、アメリカがイラク戦争によってこの国をめちゃくちゃにしてしまったこと、その犠牲となった人びとに目を向ければ、今後の軍事作戦がどんな結果をもたらすのかも懸念せざるをえない。新たな混乱に巻き込まれる、と空爆に反対する米国内の声は、あまりに彼らに都合のいい「理由」のようにすら聞こえる。そもそもいまイラクでの起きていることの原因を作り出したのは誰なのか。
同じとき、パレスチナで続く空爆。住民が爆撃で殺されている。戦争や混乱にはいくつもの前兆がある。それを分かっておきながら、国際社会はどうして殺し合いをくい止めるすべを、いまだに持てないでいるのか。悲しみと無力感が交錯する重い気持ちでヤズディの人びとの姿を伝えなければならなかったことに、胸が詰まる思いだ。
いま深刻な危機にあるイラクのヤズディ教徒。かれらへの取材は今後も継続するつもりだ。
【玉本英子・坂本卓】